標本箱・おもちゃ箱・玉手箱

謎の標本箱

大上段に構えたな!
大「冗談」なんて駄洒落はなしだぜ!
企画倒れは御免だぜ!

では、その「謎の標本箱」とやらをご覧に入れましょう!
これです!
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さて、いかがですか?

尾の長い、細長い翅形の
黒いアゲハチョウが3~4種類
綺麗に並べてありますね。

チョウに詳しい方なら
上半分がオナガアゲハ
下半分がジャコウアゲハ
夫々♂・♀ごとに
綺麗に並べてあるなぁ~と
言って下さることかと思います。

しかし、
オナガアゲハとジャコウアゲハは
同じアゲハチョウ科ではあるけれど
違う属に分類されています。
当然、食べて育つ植物も、
オナガアゲハはミカン科
ジャコウアゲハはウマノスズクサ科
全く異なっています。

ところで
ジャコウアゲハの食べるウマノスズクサには
アルカロイドと言う毒が含まれており
ジャコウアゲハの体内にはその毒が蓄積されており
例えば鳥が食べると
少なくとも「不味い」
下手をしたら「毒」になるらしいです。

その証拠かどうかは知りませんが
写真には写っていませんが
ジャコウアゲハの胴体の下側は
鮮やかなと言うべきか
毒々しいと形容すべきか
美しい紅色に彩られています。

その辺の事情からか
オナガアゲハは、ジャコウアゲハに擬態している
古い図鑑にはそう書いてあり
ベイツ型擬態の一例として
カバマダラVSツマグロヒョウモンIN沖縄
カバマダラVSメスアカムラサキIN八重山
カバマダラの一種VSオスジロアゲハ♀INアフリカ
マダラチョウの仲間VSアゲハ・タテハ・ジャノメIN東南アジア
色々と調べましたが
PEKEが棲む関西で観察できるのは
これも今は?なんですが
ジャコウアゲハとアゲハモドキくらいしかなく
そんな中のオナガとジャコウの関係は
駆け出しの昆虫少年にとっては
知的興奮をもたらしてくれた
平凡パンチ」か「プレイボーイ」のグラビアのような存在でした(笑)
(って、こちらは痴的興奮ですな)

とりあえず一番似ている
オナガアゲハ♀(上段)
ジャコウアゲハ♂(下段)
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でね・・・
長い話の本題は今から始まるのですが
京都の蝶屋の例に漏れず
最初の頃の採集は「高尾」「箕面」と並ぶ
三大昆虫採集地であり
「スギタニルリシジミ」の発見地でもある「貴船」でした。
渓谷沿いに料亭が並び
夏には渓の流れの上に設けた「川床」で
着物姿の別嬪はんと首肯を楽しむ場所なのですが

ここで少年PEKEは
憧れのオナガアゲハ(本当はミヤマカラスアゲハが本命でしたが)を
採集することができたのでした。
しかしジャコウアゲハは
PEKEは擬態云々よりも
真っ黒な♂よりも
金茶色の♀(画像下段)に強く心惹かれていたのですが
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貴船をはじめとする「京都北山」ではその姿を見ることはありませんでした。

数年後、ジャコウアゲハを自分の網に入れたのは
JR山陰線の「並河」駅の線路沿いで
周囲は人家と畑・・・
平地のど真ん中でした。

それから
ことオナガとジャコウのベイツ型擬態関係については
長らく?印のまま過ごしてきたのですが

40過ぎてから
奈良県の山奥でミヤマカラスアゲハの春型を追いかけていたら
ついにその混棲地に行き当たったのです!
渓谷沿いの林道に咲くヤマツツジの花に
かわるがわる訪れる両種を網に入れながら
しかし
これは普遍的な光景ではないなぁ~と
それはこの渓のどこかにジャコウの好むオープンスペース的な環境があるのか
あるいは森林性の特殊なウマノスズクサが生えているのか?
またまた知的興奮の嵐に巻き込まれましたねぇ~

ちなみにオナガの♂(上段)と♀(下段)です。
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でね・・・
アゲハにまつわる謎はもう一つあってね・・・

続く・・・ぢゃ!(爆)
by pekeyama | 2015-05-03 20:34 | | Trackback | Comments(8)
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Commented by K.M at 2015-05-04 07:43 x
アゲハの類はどういう理由で有尾と無尾が分布ですみわけているのでしょうか?
Commented by pekeyama at 2015-05-04 09:04
アゲハの有尾と無尾と言えば
クロアゲハとナガサキアゲハを思い出しますねぇ~
クロアゲハはタイワンでは無尾型ばかりになるのかな?
時々八重山諸島で無尾のクロアゲハが採れていたと
記憶しています。
こちらでも短尾型とでも言うべき個体が稀に採れます。
PEKEも大昔に一頭、採集しています。

逆にナガサキアゲハは、タイワンでは有尾になったのかな?
ナガサキアゲハは東南アジアでは結構な地域変異があって
面白いアゲハだったと思います。

あとはオナシカラスアゲハなんて言う珍種が大陸の何処かに
いたと思います。

一般にパピリオ属は有尾が基本で
日本産のナガサキアゲハのような無尾型は
全体的にみると珍しいのでは?と思います。

答えになってはおりませんが
PEKEとしてはこんなもんです(笑)
Commented by K.M at 2015-05-05 19:05 x
わたしもオナガアゲハとジャコウアゲハが被るポイントはみたことありません。
アゲハモドキを捕まえたポイントもジャコウアゲハと被っていません。
混生地興味あるなぁ~
連れてってえ~
Commented by pekeyama at 2015-05-06 18:30
KMさま
時期的には盛りを過ぎていると思われますが
9日なら開いております。
ただ、遠いですよ!
車で4時間近くかかります。
半分は山道です。
数年前の台風でポイントの感じが変わってしまっているリスクもあります。
Commented by nomu376 at 2015-05-06 19:11
今頃ですが・・・
私が行く範囲では結構かぶってますよ。
なので、細長いやつを見たら「どっちかな?」って確認しないといけません。
さらに、アゲハモドキも混生してる場所もありますよん(笑)。
あ、アゲハモドキって結構アゲハチックに飛ぶの知ってますか?
Commented by K.M at 2015-05-06 19:26 x
九州にいくと変わるのかな?
私はオナガアゲハは標高のある渓谷の蝶、ジャコウアゲハは草刈りのある河川敷と人手の入った森林公園の蝶だという気がしています。
なんかもしかしたらジャコウアゲハって人間活動に便乗して本来とは違う場所に進出してるのかな?
Commented by nomu376 at 2015-05-06 19:38
K.Mさん、両種の分布、基本的にはそんな感じですが、それを足して2で割ったような、里山からちょいと山間(やまあい)に入った、そんなに標高高くない渓流沿いにかぶってるような印象はありますね(笑)。
Commented by pekeyama at 2015-05-06 19:47
NOMU先輩、KMさま
白熱の議論、ありがとうございます(笑)
この手の議論
今度は星空澄み渡る
晩夏のK高原で
盛大に闘わせましょう!(笑)
楽しみにしていますよん!

PEKEは
「ON THE EDGE」論を展開いたしますよん!
熱く
しかし
呂律怪しく・・・(爆)
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